久しぶりに一本商品のジェンベを組みました。
昨年末ぐらいに工房の二階からピックアップしてきたお宝級極上ボディ。
最近気になるプレーンな飾りのないやつです。
自分が商品を組むことは少ないので、どうせなら気に入ったボディに色々新しい仕様を仕込んでみました。
普段色々なジェンベを見たり触ったりして気になる工夫を一度形にしてみたくて商品に反映したのでご紹介。
いずれも言われなかったら気付かないぐらいの違いなんですが。
ボディ研磨
とりあえず時間が空いた時にひたすらゴシゴシ磨きを入れてきました。
ジャラは木材自体がきめ細かく、磨いた時に出る艶が美しい素材です。
1000番以降はオイルを染み込ませつつ研いで行きます。仕上げには「荏油」という植物油を使用しました。(普段はシアバターを含むミックス)
研いだ粉が油で固まってこの溝に埋まっていくことで凹凸がなくなっていて自然な艶がでます。
ニスによって塗膜を重ねて出す艶とは違います。ピカピカにはなりません。
あとキズやヘコミも簡単に入ります。
あくまで木材がもともと持ってる魅力と使い込んでいくことで出てくる経年変化と付き合ってもらえるような仕上げです。
ラバーパット
もう一つボディに加えたこととして「ラバーパット」という仕様に挑戦してみました。
ジェンベは長く使っていくとレッグの地面に着く部分は擦れて削れたり、衝撃で割れたりすることがあります。
これをを防ぐためにバイクのタイヤを釘で打ち付けて補強したりします。
これがなかなかいかつくてかっこいいのですが、せっかくのプレーンボディには合わないので、今回は10mmの厚みのゴムシートを加工して「接着」しています。釘でボディを傷つける心配がないし個人的には「レッグの裾が黒くなっただけ」に見えるスマートな見た目が気に入っています。
ステンレスリング
リングにはステンレスリングを採用してみました。
ちなみにいつも使ってるのはスチール(鋼)リングです。
ステンレスの良さは強度と耐食性。錆びにくいのでずっとピカピカしています。
実際加工してみるとわかるのですが変形しにくいです。
いつもよりも少し細いリングを使用しています。
変形しにくいということはロープを引っ張って皮を張っていく過程で、力が一点に集中せずにバランスよくリングを落としていけるということかもしれません(微妙な違いですが)
あとはリングの直径を1㎜細いものにすることでボディからでっぱりが少なく、すっきりした見た目に仕上がっています。(かなり微妙な違いですが)
左がスチールリング7mm右がステンレスリング6mm。
目に見えないコダワリこそが男心をくすぐるのです。
皮はセネガルの少し集めのヤギ皮を選びました。
ジャラの特徴とカップの大きなマリジェンベの性質をあわせもった色気のある音質です。
僕の好きなアメリカのジェンベ工房「ドラムスカル」や工房長の務めていた「マザーランド」のジェンベづくりも参考にしつつ、見た目や素材感も長く楽しめる仕様を考えてみました。使えば使う程味わい深く自分だけの物になっていくはず。
それが
Mali Djarra 35.5cm(DJ0482)/¥84000
以上ジェンベの見た目を楽しむためのアップデートでした!