エアチェックの記憶

こどもの時分過ごしたボロボロの平屋借家はお風呂が外にあって、雨が降ってくると煤けた青色の波板屋根にバタバタと雨が当たる轟音が聞こえてきて、でも何故かワクワクしたもんです。
小学6年生まで過ごしたその家の電話番号は今でもソラで言えます。今ではカミさんの電話番号すら言えないのに。思えばその頃は電話番号を覚える「絶対的理由」があったからです。覚えてないとかけられなかったからです。指でジーコジーコダイヤルを回す、何度も何度も。

音楽に目覚めたのは中1かな?もちろんi-padなし、オンボロのモノラルラジカセでした。逆に言えば音楽を聞く手段はラジオしなかった。
「エアチェック」って単語、わかります?

時代は流れ今やホント凄い。ボタン「ピ」で好きな音楽がダウンロードできる。楽人なんか全部携帯ダウンロードで聴いてます。CDすら必要ないって。
先日思い立ってPCで昔好きだったラジオ番組を検索してみたら1978年からNHKFMで放送されてた「サウンドストリート」って文字が出てきた。
ギュイーーーーンって記憶が引き戻されました。渋谷陽一の回は毎週欠かさず聴いてた。
清志郎も「HOTなナンバー 空に溶けてた」ってトランジスタラジオで歌ってたしMODS森山の「このラジオを聴くだけさ」ってゴキゲンRADIOで言ってた。

jacksで買っちゃいました。CDだけどね、アマゾンでだけどね(笑)
JACKSのVACANT WORLD。1983年のサウンドストリートで遠藤ミチロウが影響されたと言っていたグループJACKSの早川義夫が地の底から這い出したように唄うマリアンヌは1968年当時の若者にどう刺さったんだろうか?
聴きだしてすぐにこちらもギュイーーーンと引き戻されました。83年は佐々木秀人高校3年生、家を出て石神井公園のボロアパートで暮らしてた頃、抱えてた憂鬱とか不安とか衝動とか・・・・たった1フレーズ聴いただけで膨大な記憶が鮮やかに蘇ってきたのです。今では妻の電話番号さえ言えないのに。

音楽って凄いですね。