昨日アップしたこのマリジェンベには個人的に思い入れが深くありまして、そこのところをあまり重く受け止められるとアレですが、ちょっとお話ししておきたく・・・・。
私が2010年にマリへ行く前の秋、ちょうど工房を東久留米の平屋から町屋へ移転したタイミングで、タクミと「こんどのTDFモデルはどんなジェンベにしましょうか?」って打ち合わせを重ねてました。当時は隆盛を極めたカンガバがお取り潰しの憂き目にあい、混沌としていたマリジェンベや、また素朴な印象だったムンガムや大好きだったLKなどから亜米利加意向の今の潮流の元となる豪華絢爛彫りへ以降しはじめたギニアジェンベ、、、、そしてタクミが2005年に滞在して新たな流れを作り、それが主流になり始めてTDFでも一部で絶大な人気を獲得し始めていたコートジボアールジェンベ、、、、
そこで「マリの最高品質の木でコートジボアール風のカービング、音は福よかに」ということに。
そしてマリへ渡航、あらかじめユスフがTDF用に選定していてくれた絶品の木材にタクミから詳しく要望されていた彫りを施された乾燥前のコイツらに出会ったときは本当に感動しました。
その兄弟達の中で輝いてたこいつ。
翌年コンテナで日本にやってきたこいつ、シアバターで副交感神経を刺激されてしばらく倉庫で寝てました。
で、今年のマリツアーで来年版のTDFモデルを試作しているタイミングでコイツを起こして仕込み、帰国早々のタクミが想いを込めて仕上げました。
眠ってる間にしっかり落ち着きを得たボディは赤褐色に、レンケのいい部分を使ってるのでマニアも唸るクオリティになってます。
落ち着いたベージュのWクレイドルはマリの砂漠を、伸び・擦れともに強度の高い臙脂・金・黒の5mmロープはマリの大地を、それぞれ想起させます。
土偶の目のようなカービング、マリジェンベの伝統でもあり、コートジ風でもあります。
よくみるとボディのカップはゴブレット形状で径のトップはカップ下部にあります。TDFボールジェンベと通常ジェンベの中間的形状でカップ内で微妙な音響をして独特のうねりを出してます。
牛皮でも薄めのものを張り込んでますので、手の損傷も最小限。スラップの破壊力、いい感じだと思います。
是非、一度触ってみてください。