ギニア出身の彫刻師アマドゥによる渾身の一本。
艶やかな黒朱色に、宇宙を感じさせるアフリカならではの幾何学模様が。
全ての面で流れ作業から逸脱し、時間をかけて丁寧に。
残念ながら、というのもあれですが、
誰かに叩いてもらいたい、こんな音で楽しんでもらいたい。と思いを込めて作られたものではなく、
目の前の美しく、尊い木に
皮を剥いで、桶を作る熟練の職人が、
鉋をかけて磨く人が、
彫刻を入れるアマドゥが、
サンドペーパーで粉だらけになって磨く職人見習いの子たちが、
その「もの」に『ただただ魅せられて』、最高の仕事をして完成した作品。
自分はその仕事を受け継いで、同じ思いで皮を張っただけ。
『誰かに叩いてもらいたい』『こんな音で楽しんでもらいたい』
とあえて想像するなら、
その「誰か」は技術的に不釣り合いとか、男性向きとか女性向きとか全く関係なく、『ただただ魅せられた人』であってほしいと思います。