マリでの収穫

こんにちは。工房長です。

マリから帰ってきてはや2週間。時差ぼけもなく、今までで一番通常生活に戻るのが早かった気がしてます。

帰ってきてよく聞いてくれる

「マリどうだった?」

社交辞令的であったり、『おかえり』の意味も込めて聞いてくれるんですが、これが結構答えるのが難しいんです。笑

いろんなエピソードだったり、感じたことをさらっと端的に言えればいいんですが、なんともうまくまとめられず、

「相変わらずだよ。」

「いやーよかったよー」

で終わらせてしまいがちです。笑

まあ、もちろん聞いてくれた方達もそんなに期待はしてないんでしょうが。。

と前置きが長くなってしまいましたが、
今回での渡航で「これは収穫だなあ」と帰ってから思ったことでなかなか話せないでいることを1つ。

ここ数年は日光がプライベートレッスンでカソンケダンスをみっちり教えてもらってるんですが、その先生のソラさんがまず最高です。

何が最高って話はまた長くなるのでまたの機会に。

そのソラ先生がレッスンしてくれるときのドゥンドゥンフォラの『バブヤ』ことBoubacar Bagayogoさんとダンスクラスの演奏に参加させてもらっていたんですが、時々演奏中にリードをやれと言って演奏を見てくれてました。

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『ん〜!!いいっ!!』(喜)

『はあ?なんだ、それはっ!!』(怒)

『ヒュー! いいねえ!』(喜)

『まごまごするなっ! ためらうなっ!』(怒)

っとまあ演奏一瞬一瞬に指導というか、盛り上げてくれるんですが。笑
ひとしきり演奏してクラスの休憩中に、バブヤがこんなことを言ってくれました。

『ドゥンドゥンを叩くときはちゃんとカソンケ語を話せ。』

とてもシンプルで、鳥肌が立ちました。

踊りに寄り添った演奏はもちろん、すべての音がカソンケ語なんですよね。

そりゃあできてないわけだ

と落胆することはちょっとだけで、なんだか全てがスッとした気分になりました。

ジェンベの演奏を聴いていてもすごいなあと思う人は『〇〇語』で話しているんだろうなあ。意味は理解できなくても、説得力というか。

見よう見まねで宇宙語のように喋っているふりしている自分にとっては、まあ納得ですよね。

楽器の演奏テクニックに魅力を感じるのはもちろんですが、

『もはや何語かわからない』とも感じる演奏にはだんだん興味をそそられなくなってきた理由がはっきりした。

とても大きな収穫だったなあ、というお話。